2015年6月18日木曜日

寄稿文 我々が知っておくべき重要な二つの英語の諺

コンクールを間近に控えた時であるが,文章の寄稿を要請されていたので,急遽,書き物をした.

我々は政治的に決して小さな存在ではない
・・・我々が知っておくべき重要な二つの英語の諺


Knowledge is power. (Francis Bacon)
  知識は力なり(フランシス ベーコン.イギリスの16-17世紀の啓蒙主義を代表する哲学者)




Forgive your enemies, but never forget their name. (John F. Kennedy)
 あなたの敵を許しなさい.しかしその名前は決して忘れてはならない.(
ジョン F ケネディー:アメリカ合衆国35代大統領.ダラスで狙撃,暗殺された)




 医療は政治問題と密接に関係あるということは既に何度か述べてきました.

 しかし,政治は個人で扱うにはあまりにも大きいものです.また,政治とは様々な分野のものを扱っています.安全保障から雇用から景気などの経済のこと,教育,公共事業,そして医療など様々です.医療は重要な政治分野ですが,あくまでも一部門です.

 故に,我々個人が,何をか語っても無駄ではないか,と無力感に陥る方もいらっしゃると思います.
 しかし,そのようなことは決してないということを私は強調したいのです.
 そのために,二つの英語の諺を挙げました.

 まず,Knowledge is power. 「知ることは力」,です.混合診療とは何か,これを解禁するとどのようになるのか,ということをこの本を読んだ皆様方は理解出来たと思います.

 平成27年の通常国会で「患者申し出医療」という,混合診療に道を開く制度が国会で可決されました.しかし,この制度にしても,成立に当たって,いろいろな条件が付けられています.実際にこの制度が運用されてどうなっていくのか,我々は,監視していかなくてはいけません.監視するには,知らなくてはなりません.そうしないと,「患者申し出医療」と言うちょっと優しげな名前の制度を梃(テコ)にして,混合診療で大もうけを企む連中が,一気に混合診療解禁にもっていく怖れがあります.

しかし,我々が,混合診療の危険さについて理解していれば,そのようなことを防ぐことが出来ると思います.これは国民の民度の高さにも繋がると思います.私は,日本の政治と日本国民の民度の高さに希望を見いだしております.

 次に,Forgive your enemies, but never forget their name. です.

 「患者申し出医療」なるものがどの様に運用され,混合診療の解禁に結びついて行くのか,また,それにより,我々の生活にどのような影響を受けるのかを見て行かなくてはいけません.
 そして,この制度を導入した人たち,まあ,政府自民党,あるいはそれにつるんで大もうけを企む人たち,つまり,経済諮問会議の連中,について,きちんと覚えておかなくてはならないと思います.

 Forgove your enemies 敵をゆるしてやれ,ですが,おかしな制度を導入して我々の生活や生命を脅かした連中は政府の上の方にいて,許すも何もない.これは,「仕方が無い」ということだと思うのです.しかし,「仕方が無い」で終わらせてはいけません.きちんと覚えておかないとならないと思います.

 最近,というか,小泉首相以来「改革」を訴える政治家が多くいます.しかし,「改革」を語るからには,どのようにしたいのか,その結果,どのような良いことが起こるのかを明瞭に説明出来なければなりません.そうでなければ,ただの「騙り(かたり)」(だまし)です.このようなことにも我々は注意していかなくてはならないと思うのです.

 私は別に皆様に大々的に政治活動せよ,などとは申しません.となると,我々は政治には結局,投票ということで関わっていくしかありません.我々は,一人一票しか持っていません.これは大変小さなものです.

 しかし,我々があることを知った瞬間,きっと同時刻に,1000人か10000万人の方が,どうような事を知るものだと思うのです.別にこれは,スピリチュアル的なことを言っているのではありません.この世は多くの情報に満ちていると言うこと.そして,その中で混合診療に関してこの記事に接して,あなたが共感して戴けたら,その時に,きっと多くの方がこの本なり同じ様な情報に接し,同様の共感を得ているものでしょう.

 このように考えると,
我々は知ることに,大きなる希望と力を見いだすことが出来るでしょう.我々は決して小さな存在ではないのです.
 「人間は一本の葦に過ぎない.しかし考える葦である」と言うではないか.

Man is no more than a reed, the weakest in nature. But he is a thinking reed.  (Blaise Pascal)
 人間は一本の葦に過ぎない.自然の中で最も弱いものだ.しかし,人間は考える葦である(ブレーズ・パスカル:1623 – 1662年.フランスの科学者,宗教思想家,文学者.科学者としては,「パスカルの原理」の発見者.










   パスカルの原理

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