今,諸橋轍次の中国古典名言事典を読んでいる.これも漢字検定1級のテスト対策.
私は用事があり,6月の漢検は受けない.10月に受ける予定である.それに向けてやっている.
思う所あり,意見を述べる.
漢検1級の漢字は,マニアックなものばかりで,現代の一般社会では殆ど見ることがない.故に,覚えても無駄ではないか,という意見が多くある.これについて述べたい.
漢検1級に出てくる漢字は確かに難しく,見慣れないものが多い,というか,見慣れないものが殆どである.
「世の中で使われていない」というのは,その通りである.
中国古典名言事典 宋名臣言行録に以下の文が出て来た.
この中で,「成毀」という言葉.
「毀」は常用漢字にはない.故に,「成毀」ということばは,日常生活や目に触れるものには,まず出て来ない.
「毀」は漢検1級出題漢字である.
だから,使わなくても良い,という意見がある.それは正しい.
しかし,このような言葉を覚えて,使って行くと,文章力,知識量がそうでない人より格段に増えて来る.
取得する知識に限界はないだろう.また,限界を作る必要もない.
一国の言語政策で,「常用漢字」を定めていくのは一つのやり方であろう.
しかし,それに縛られる必要もない.
余裕のある人は,どんどん漢字や言葉を覚えて,己の言語能力を容赦なく高めて行くことに躊躇い(ためらい)を持つ必要はないだろう.
まあ,三線に例えるならば・・・・
6月中旬に八重山古典民謡コンクールが行われる.目睫(もくしょう:目 と まつげ の距離.つまりわずかの距離)に迫っているので,私も含めて,受検者の皆様は鋭意お稽古中であると思います.
関係者の方々は皆,ご存知のことと思いますが,八重山古典民謡コンクールの最優秀賞必須課題曲は,「越城(くいぐすく)」
長くて重たくて,難しい曲である.八重山古典民謡の中で最も難しい曲の一つであると思う.
しかし,越城のような曲.長くて重たい曲はあまりライブでは唄われない.ライブまで行かなくても,宴会や人前ではあまり唄われないようだ.
コンクールのおりには,たくさんの受検者が石垣島に集まることになる.夜には例によって飲み屋さんに出かけるのであるが,そこで,この越城を唄った人がいたという.お店の人から顰蹙を買ったという,嘘かホントか分からないような話もある.(私も実は唄ったことがある.この話を知っていたので,唄う前に,越城唄ってよろしいか,と確認した.お店の人もお客も快諾してくれた)
まあ,余談が長くなってしまったが,人前で唄う機会があまりないから,越城 は練習しなくても良いのか,と言われたらそうではあるまい.
八重山古典民謡を真剣に志すのであれば,やはり外せない曲だと思う.
漢検1級の漢字もこれと同じである.勉強しなくても良い,などという理屈があろうはずがない.
諸橋轍次著 中国古典名言事典
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